「診察で得られた情報から獣医師はどのように病気を絞り込んでいるのか。」を知っていただくことで、動物の様子を観察する際に、また病院で病態を伝えていただく際に、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
さくら動物病院 増山 浩一 


カルテから
   肝臓治療の通院歴あり

稟告
   前日の夜から急に嘔吐が始まる
   何を食べても吐く
   

ところで、「吐く病気」ってたくさんあります。



これら全部について検査することは現実的に難しいので、考える指標を設けます。例えば、以下の3点です。

     ・重大な病気
     ・よくある病気
     ・症状から考えられる病気

これらの視点から病気を絞り込んでいきます。

まず、重大な病気です。
聞き慣れない病気も出てきますので、いくつか説明していきます。
「腫瘍」は、ご存知の通り「ガン」のことですので省略します。
   
   
   
以上、重大な病気でした。

次に、「よくある病気」と「状況から考えられる病気」です。


以上の疑われる病気を見分けていく為の検査として何をしたらいいのでしょうか。



さあ、検査です。

<血液検査>

<レントゲン検査>

<超音波検査>

吐いているので、消化管もチェックします。


消化管に何かあるのがわかります。



そこで、オーナー様からの新しい情報と超音波検査結果です。

以上から、仮説をたてます。



仮説の通りであれば、 気になっていた点が不自然ではなくなります。

さらに「緊急性の高さ」を併せて考慮します。

この後、しなければならないことはなんでしょうか。

次の段階として、
「試験開腹」による仮説の検証が合理的かつ安全な処置と考えられます。
   
<試験開腹>
腸管内に何か固まりがあるのがわかります。
   
取り出してみると、「ウシの蹄」でした。
無事に異物の摘出手術が完了しました。
   
数日後・・・ 六花ちゃんは、無事退院することができました。 よかったよかった。


少しの情報が診断の助けになることって実はすごく多いのです。
したがってみなさんも下記のような動物たちの普段の生活のちょっとしたこと等、なんでも教えてください。




異物の誤飲についての注意点です。
普段と違う様子があれば早めに診察を受けてください。