日本動物病院福祉協会(JAHA)認定病院
世界動物病院協会
日本動物病院会(NAHA)
日本小動物歯科研究会
 
 
トップ  >  第7回  >  泌尿器系疾患について
 


泌尿器系疾患について  獣医師:宮地


泌尿器系とは、腎臓、尿管、膀胱、など、 主におしっこに関わる臓器のことです。
今回は、泌尿器系の疾患についてお話します。
 

1. 腎臓のはたらき
腎臓は生命の維持に関わる重要な機能をたくさん持っています。
最も重要なのは、生体に必要/不要なものを分別し、再利用する「フィルター」機能です。
血液からいったん濾過された物質(水、尿素、タンパク質、糖、電解質など)は、次に分別されます。
必要なものは再吸収され、不要なものは尿として排泄されます。
その他の働きには、血圧の維持や、赤血球の産生調節などがあります。

2. 症状
代表的な症状は次に挙げるものです。チェックしてみてください。
どれも見過ごすことの出来ない重要な症状です。

□ 尿が薄い
□ 多飲/多尿
□ 嘔吐
□ 頻尿
□ 血尿
□ 尿が出ない
□ 脱水
など

(1) 泌尿器系疾患の初期症状!?
「多飲/多尿、尿が薄い」


腎臓のフィルター機能が低下した結果、体に必要な水分を調節できなくなり、 尿中へと水分が流れ出してしまいます。
 

犬や猫の正常な飲水/排尿量は次のようになります。


あくまでも目安ですが、この2倍以上あれば多飲/多尿があると考えられます。
※ホルモン疾患、子宮蓄膿症、肝疾患などでも同じ症状がみられます。


(2) おしっこに血が…
「血尿」


炎症や結石、腫瘍などが原因となり、尿へ血液が混じります。
血尿以外にも、タマネギ中毒・フィラリア症などで赤血球が 破壊された結果出るヘモグロビン尿や、激しい運動後にでる ミオグロビン尿などもすべて赤い尿となるため、見た目だけ では判断できません。
赤い尿を発見したら、すぐに病院で検査しましょう。
 


(3) 緊急性あり!!
「尿が出ない」


膀胱に尿が溜まっているのに排尿できない状態が特に危険です。(尿閉といいます)
尿が出ない原因は、結石や腫瘍が大部分です。
尿閉状態の動物が来院したら、一刻も早く排尿経路を確保し、その原因を突き止めます。

●ストルバイト結石と、シュウ酸カルシウム結石
ストルバイトはアルカリ性尿でできやすく、治療 により溶ける可能性があります。
これに対し、シュウ酸カルシウムは酸性尿でできやすく、溶けな いのが問題です。
 

【治療】
・食事療法…専用の療法食に切り替え、2~3ヶ月継続して経過をみます。
・外科的摘出…手術により摘出します。


3. 腎不全について
腎不全は、急性腎不全と慢性腎不全に分けられます。
急性腎不全は治療で完治することが多いですが、慢性腎不全は基本的には「つきあっていく病気」になります。
腎不全の場合、本来尿中に排泄されるべき毒素(窒素代謝産物)が体内に溜まって起こる尿毒症や、脱水によって食欲不振、嘔吐、下痢などがみられます。
したがって、静脈点滴や皮下補液により水分を補給し、この毒素を体外に排泄させます。

●静脈点滴

水分の吸収効率がよく、即効性があります。  
入院による治療です。
 

●皮下補液

短時間で終わるため、動物にストレスがかかりにくい 治療です。  

●胃腸炎治療

食欲不振、嘔吐、下痢などの症状を軽減させます。


●食事療法

療法食や手作りフードなど、腎臓を保護する食事も有効です。  
しかし末期になると、食欲が低下し、療法食を食べなくなってしまうこともあります。
その場合は、食べられるものを選んで食べさせてあげましょう。  
‘食事を摂る’ことが非常に重要です。


どの病気も、動物と飼い主(オーナー)さんが一緒に立ち向かい、闘うことが大切です。
慢性腎不全は完治することはなくても、QOL(Quality Of Life:生活の質)を維持することはできます。
そのために様々な治療を組み合わせていきますが、すべてを行うことが最善とは限りません。
長期の闘病生活となるからこそ、動物も飼い主(オーナー)さんも納得でき、頑張れる治療が最善の治療です。
獣医師や看護師がサポートいたしますので、一緒に頑張っていきましょう。



プリンタ用画面
カテゴリートップ
第7回
次
お家で出来るわんちゃん、ねこちゃんのケア

:: 検索
:: メインメニュー
メルマガ登録
■メールアドレス
■動物種
■動物の年齢
■お住まいの地域
powered byメール配信CGI acmailer
ドメイン指定受信設定などをされている場合は、sakura-komoro.jp からのメールが受信できるように設定変更をお願いします。
:: ログイン
ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失

新規登録