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心臓病の食餌管理 - 動物看護師:冨田郁恵



近年ワンちゃん・ネコちゃんの寿命が延びたことにより、昔に比べ高齢になることで「心臓病」と診断されることが増えてきました。
または高齢でなくても先天性の心疾患を持つワンちゃん・ネコちゃんもたくさんいます。

そんな心疾患を持つペットの日々の食餌管理は特に重要です。なぜなら、食餌の内容によっては心臓に負担をかけてしまうものがあるからです。

例え、心臓病のお薬を飲んでいたとしても、毎日の食事の内容が心臓に負担のかかるものでは意味がありません。
そこで心臓病の子のための食餌についてある症例を挙げて簡単に説明します。

当院の患者さんで、生後8ヶ月で心臓の血液の流れに逆流がみられ、心臓病と診断されたチワワの子が心臓病のお薬を開始したと同時に毎日の食餌を心臓病専用の療法食に変え治療しました。
1年3ヶ月後に再検査したところ、治療前と比べ心臓の逆流が改善されていました。 一概には言えませんが、日々の食餌を心臓病用の食餌に変えたことも症状が改善した要因の一つだと考えられます。

そしてこの症例から、いかに日々の食餌管理が重要であるということが分かります。


【心臓病専用の食餌の特徴】


1. ナトリウム(塩分)を制限
塩分の多いものを食べると喉が渇き、水を飲む量が増える。
水を多く飲むことにより体内の水分量が増え心臓への負担が増加してしまう。

2. カルニチン・タウリンを増量
心筋の機能維持のため。

3. リンを制限
心不全に併発する腎疾患を考慮。

4. ビタミンB群・マグネシウムを増量
利尿剤により失うため補給する。

5. カリウムを制限
ナトリウムとの比を調整する。



塩分の少ないフードはおいしいの?
塩分を制限したフードは本当においしいのか?
処方食に変えてちゃんと食べてくれるのかと疑問に思われると思いますが、ワンちゃん・ネコちゃんの味覚は、塩分より甘みに強く反応するためドライフードの塩分を多少調整しても食べつきにはほぼ影響しないといわれています。
そして最近ではおいしく食べやすいように作られているので、大体のワンちゃんやネコちゃんが3日以内には受け入れてくれます。

しかしそれでも処方食だけでは食べなかったり、食べつきが悪い場合にはいくつかの方法でフードに手を加え、ちょっと工夫することで食べてくれるようになります。


工夫 1. ・・・フードを加熱する
加熱して香りを立たせることによって食欲を増進させる

工夫 2. ・・・手作りスープをかける

工夫 3. ・・・好きなものをトッピングする

食べつきをよくする


~スープ・トッピングする際の注意点~

ポイント 1. 温度は30度前後にする(人肌程度)
熱いとビタミンなどの栄養素が壊れてしまう!!

ポイント 2. トッピング時にはフード量をいつもの75%=3/4に減らす
いつもの量にトッピングするとカロリー過多になってしまう!!

ポイント 3. トッピングする具材は細かく刻む
特に野菜類は消化しにくい為、細かく刻む!!



       ~スープの作り方~

十分な量の水にペットの好きな肉・魚・野菜などの具材を入れて1~2分ゆでたら出来上がり!!
そのままでは熱いので人肌程度まで冷ましてから使うようにしましょう!!

※作ったスープは冷蔵庫で保存すれば数日分の作り置きも可◎ 時間のある時に作り置きしておくと忙しい朝に便利です!!

~スープのレシピ~
*お肉のスープ*
牛肉や鶏肉などを用意。(冷凍保存したモノでも可)
アク・骨はしっかり取り除く!!



*お魚のスープ*
体に不足しがちなお魚の油をしっかり補給する為にも、白身魚を使うのがオススメです!!
お魚は一口サイズにカットする。



*野菜のスープ*
複数の種類の野菜を混ぜてもOK!!
※ほうれんそうダケはゆで汁にシュウ酸が出るのでスープには使用しない!!







~トッピング~
トッピングとは、いつものドライフードにペットが好きなモノをカロリー過多にならない程度の適量をトッピングすることで食べつきを良くする方法です。
●トッピング量●(目安)
体重 5kg 10kg 20kg
肉・魚 15g 25g 45g
スープ 50cc 90cc 150cc
(1日2食としての1食量)

◆野菜には解毒効果のある酵素がたくさんはいっています。生で食べられるものは生であげましょう!!
・淡色野菜は免疫力アップ(キャベツ・白菜・きゅうり)
・緑黄色野菜は抗酸化作用(小松菜・トマト・にんじん)
・根野菜は体を温める作用(大根・かぶ・さつまいも)


【生であげられる野菜】
キャベツ・白菜・きゅうり・セロリ・レタス・水菜・小松菜・トマト・大根・かぶ ブロッコリースプラウト
※野菜の与え過ぎは下痢を起こす原因となるので分量に注意して与えてください。


●生野菜トッピング量●(目安)
体重 5kg・・・15g   
   10kg・・・25g 
   20kg・・・45g
(1日2食としての1食量)
※食物繊維がたっぷり入っている為、消化しにくいのでできるだけ細かくして与えましょう!!






~心臓にいいといわれる食材~
◆きのこ
期待できる効果・・強心作用・血流調整・コレステロール低下作用・抗血栓作用・肥満抑制作用・同時にナトリウム排泄も促す          
消化しにくい為、細かく刻む!!

◆海藻
期待できる効果・・余分なナトリウムを排泄し血圧を正常に保つ・体内のカリウム、 ナトリウムのバランスを整えるために有効な食材

◆オメガ3脂肪酸
期待できる効果・・不飽和脂肪酸オメガ3は血流が改善され、心臓疾患のリスクが軽減し血中の中性脂肪の減少が期待できる。その他にもオメガ3は抗免疫作用もあるため抗アレルギーの効果もある。(亜麻仁油・サーモン油)

◆魚
期待できる効果・・体にいいオメガ3やタウリンが豊富のため、動脈硬化予防・コレステロール低下・肥満予防によって心臓病予防の効果が期待できる

◆卵黄
期待できる効果・・体内の不要なモノを排泄する成分「レシチン」が含まれており、血管をキレイにして動脈硬化などの予防が期待できる
※コレステロール値の高い子には注意!!!

◆低脂肪のお肉
期待できる効果・・タンパク質は必要不可欠ですが、動物性脂肪の取り過ぎとカロリー過多は心臓病の原因「高脂血症」を招く!!そのため、良質な低脂肪・高たんぱく食材を利用する!!(鶏ささみ・鶏ハツなど内臓肉も活用)


難しいことは考えず、とりあえずやってみましょう!! ぜひお家で気軽に試してみてください☆

※記載のトッピング量はあくまで目安です。







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