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イヌとネコ
高齢動物の食餌管理 ~基礎編~ - 動物看護師:小林和恵


栄養素のお話

ペットの食餌はドライフードが主流です。ドライフードは栄養のバランスを種類ごと、年齢ごとに考えられて作られています。まずは栄養素についてみてみましょう。
動物は体を維持するために食物を食べます。その食物の中に含まれる体に必要な成分は、蛋白質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、水の6つに分類されます。

また、この6つの栄養素は、「エネルギーを作るもの」と「エネルギーを作らないもの」の2つに分けられます。

エネルギーを作るもの
● 蛋白質 … 筋肉を作る
免疫機能の維持 
ホルモン分泌 など

● 炭水化物 … 糖分と繊維質に分類
糖分は血糖代謝の維持
繊維質は胃腸運動を整える など
 

● 脂質 … 毛艶・皮膚の維持
ビタミン運搬
延焼抑制 など

エネルギーを作らないもの
● ビタミン … 体内での化学反応の促進・調節
水溶性と脂溶性がある
過不足により障害あり

● ミネラル …



● 水 …
骨・歯などの構成成分
体液平衡の維持
過不足により障害あり

動物の体は、60~70%が水分。


ヒト・イヌ・ネコの栄養素の違い

ヒトの食事と、イヌとネコのドライフードにおけるエネルギーを作る栄養素の違いをくらべてみましょう。



ヒトは年を重ねると、健康でいるために野菜を多くとる食事に代わっていきます。またヒトは雑食性の動物ですから炭水化物中心の食事です。  
しかし、イヌやネコは肉食性の動物であるため蛋白質の割合が多くを占める食餌となっています。(特に猫は完全肉食性動物です)  
よって、イヌやネコの食餌をヒトと同様に考えてしまうと、イヌやネコの体は健康を維持できなくなってしまいますので、それぞれに合った食餌を与えましょう。


シニア期にみられる体の変化と食事の工夫

シニア期の動物に多くみられる体の変化と、それに伴った食餌や介護の工夫を紹介します。

体の変化
● 歯肉炎で歯がグラグラする
● 歯が抜けた
● 猫の難治性口内炎

├ 硬いものが食べづらい…
-> ドライフードをふやかして与える  水を加えて食べやすい硬さになるまで置いておく。 (お湯ではビタミン類がこわれてしまいます。)


-> 缶詰のフードを利用する


体の変化
● 首や関節が痛む
● 飲み込む機能が衰えた


立ったまま頭を下げるのが辛そう…
食餌や水を飲むと、むせてしまう…
-> 台を使い、食器の高さを上げる
 ・ 楽な姿勢で食べられるようにする。
 ・ 食器などにも工夫をしましょう。


-> フードを湿らせる・とろみをつける
 ・食べる直前にぬるま湯を加え、飲み込みやすくする。
 ・ゼラチンや寒天、片栗粉を使い「あんかけ」状にする。

-> 一粒ずつ手から与える

体の変化
● 目が見えない
● 鼻が利かない
● 移動が困難
お皿の位置がわからない…
├ 食欲がわかない…
┘移動中に物にぶつかる
-> フードを温めて匂いを強くする
 ・ 電子レンジで数秒温める。
 ・ ぬるま湯やスープをかける。


-> 口元までお皿を持っていく

体の変化
● 口をうまく開けない
● 噛む機能が衰えた
● 固形のものが飲み込めない



自力では食べることができない…
-> 給餌:注射器などを使って流動食やペースト状のフードを与える
1. 片方の手で上顎の犬歯の後ろあたりを持つ
2. もう片方の手で下顎の前歯を押し下げ口をあける
3. 口の脇から注射器の先を入れ、舌の先にフードをのせる

―注射器を入れる際のポイント―
イヌもネコも歯を噛みあわせると、犬歯の後ろに隙間ができます。
そこに注射器を入れるようにすると、無理に口を開けなくてもいいですし、注射器を噛まれる心配も 減ります。
慣れたら…

※ もし、寝たきりになってしまったときには、上半身を起こし「伏せ」の形に近い状態で食事を与えてください。 寝たままですと気道に入ったりして、誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性が高くなります。また、食後も数分は状態を起こしたままにしておいてあげてください。

体の変化
● 痴呆症 → 食欲が旺盛に
-> 1日のフードを数回に分けて与える
 ・1日のフードの量はそのままで、3~4日に分けて与える。
 ・シニア期になると胃腸の動きも低下してきます。健康な子でも1日2~3回の食事をお勧めします。
 ・体重管理にも効果的です。
 ・尿石症予防にもお勧めします。



食後のお手入れ忘れずに

舌の動きの衰えや唾液の分泌が減ることで食べカスが口に残りやすくなります。すると口腔内の雑菌が増え、口臭がしたりします。
また雑菌を飲むことで胃腸の調子を崩したり、心臓病や肺炎の原因にもなります。
食後に水を飲ませ口をすすぐ、歯磨きをするなどお手入れをしてあげましょう

シニア期の食餌のポイント

◎ 栄養バランスの良い食餌
 ・調整されたドッグフード並びにキャットフードを使用しましょう。
 ・病気に合わせたフードを使用することで、病気の予防と管理をしましょう。

◎ 加齢と状態に合わせた食餌方法
 ・できる限りドライフードを与えましょう。
 ・歯石の予防や噛むことで脳への刺激も期待できます。
 ・体の機能に合わせ、フードの形状や食器などにも工夫をしてみましょう。

◎ 楽しい食餌
 食餌は毎日のこと。苦痛になってはいけません。
 食餌は楽しい時間なのです。
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